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808/809鞍目 ごめん、首に乗って [第19章]

 2000-09-04(Fri) 通算808/809鞍目 秋の集中レッスン第3日目
■2日連続で馬に乗れば、もう3日目は筋肉痛で起き上がれないだろうと予想していた。
ところが何の変化もない。
そう、毎日のように乗っていた頃と同じ。
疲労感はなく「次はああしよう,こう乗ろう」というワクワク感で自然に身体が押し出されていく。
橘先生に「やっぱり行きます」とメールをすると「頑張って下さい♪」との返事。
人は動いている慣性の力で,次の一歩が楽に踏み出せるんだなと実感した次第。

■午前中は【ひなげし】ちゃんに乗せてもらう。
いい子でお利口に運動してくれるので楽しく乗せてもらう。
が、先生から「んー腰が浮いているよ」とご指摘。
やっぱり? 駆歩しながら座骨の座りが悪いなあとは思っていたのだが…
「ここで調馬策回すから、もう一度駆歩の座りを調整し直しましょう」と先生から声がかかる。
■「ほら、膝でつかまってしまうから、乗っている時に鞍のあおり革が上に押し上げられてしまっているよ」と馬を止めた状態で私の脚位置を直して下さる。
「膝から下は力を抜いて」
「発進の合図の時とか、速歩に落ちそうな時だけポンと脚を使うようにすればいいんだよ」
あるべき姿の確認をして、あとは調馬策での駆歩。
脚はだらんと力を抜いてぶら下がっているだけの状態にする。
こうすると内方の座骨だけが鞍の上にのっているやじろべいの気分になる。
馬の動きに合わせて上半身と脚が揺れて、座骨が支点になって位置がずれないのだ。
「そう、それでいい」
「脚を一歩毎に使わなきゃなんて思わないで、馬が止まりそうになった時だけでいいんだからね」
ううむ、駆歩でも何もしなければ駆歩は続くという感覚を早く自分のものにしないとなあ。
■その後の駆歩は、脚は何かの意図を伝える時のみに使えるように、そっと馬体に添えていることに心を砕く。
ふくらはぎの触れている感覚を意識して、そこに集中する。
力を抜いて優しく同じ位置で。
内側に入れる時には、外側をちょっとだけ押し付けるとすうと動いてくれる。
なるほどねえ、力を入れないということをあえて意識すると、小さな力がより鮮明に伝わるんだ。
速歩に落としてすぐに駆歩の手前を換えるのも「次はこちらの手前ですね」とすんなり【ひなげし】に伝わる。
駆歩でなんでもできちゃうぞという感覚を持たせてもらえるから、楽しい。
ありがとうね【ひなげし】ちゃん。

■そして午後は【ろーざ】
秋の合宿最終日の最後のひと鞍は、
「総合鞍を使って鐙を短くして乗って、2ポイントの前傾姿勢で乗る練習をして」
「ちょっとポンと跳んでみましょうかね」とのご提案。
やった〜! 嬉しいなあ。 Let's Enjoy Riding!
■鐙革が短いのは、なんとも身の置き所がない姿勢なのだ。
2ポイントの姿勢で並歩速歩するも、自分の安定する位置を探してふらふらしながらだから、ひどく息が切れる。
「休みながらでいいからね」と言いながら、
「慣れてきたら、キャバレッティも前傾姿勢のまま通過してみて」
「そして駆歩も2ポイントでやってみて」
「やるべき課題はいろいろあるからね」と先生がにこにこしながら言いおいていく。
いったん並歩に戻して息を整えてから、2ポイントでのキャバレッティや駆歩にも挑戦してみる。
この3日連続して【ろーざ】に乗ったので何をするにしても安心していられるのが唯一の救い。
■「手綱がゆるんじゃダメだよ」
「手綱は短くピンと張って、拳は馬の首に置いて」
「ちょっとこっちへ」と先生の元に呼び戻される。
馬を止めて2ポイントの騎乗姿勢のままでいるように言われる。
先生が【ろーざ】の首の脇に立ちハミ近くの手綱をぐうと引く。
私の拳には、本来馬が引っぱるべき張力がかかってくるのだ。
「いい、このぐらいの力を常に手綱にかけているんだよ」
うわあ、わたしのゆるゆるで柔な力の3倍はあろうか。
「馬を伸ばした状態にしちゃダメ」
「馬がしっかり前に出てないとこれだけの力がハミに出ないから、しっかり合図するんだよ」
と、くっと拍車で合図するよう言われる。
「拳が馬の首から離れちゃったら、支点が無くなるから持っていかれて支え切れなくなるよ」
弓を引く感覚に似て、力を溜めないと何もできないのだと理解する。
【くれよん】のように強く持つと(本当の意味での強く持つとは違うのだろうが…)どんどん加速する馬とは違って、前に出した分をしっかり握っていると力が漲ってくる。
こんな状態の馬に乗っていると、手綱ゆるゆるでのぺーと伸びた状態で急に進路を変える扶助を出されたり、
推進されていない状態であっち行くなと手綱だけでぎゅうぎゅう引っぱり回されたりしたら、さぞかしつらいだろうなと思えてくる。
転がれない状態の空気の抜けたボールをつつきまわしているようなものだもの。
力の漲っている馬はちょっとした合図ですっと動いてくれる。
フリーダムな【ろーざ】の陰さえない。
■「じゃあこのキャバレッティに入ってきて」と4本並んだ先にブロックに乗せた一段高い横木を加えて、先生が合図する。
【ろーざ】も私もキャバレッティ通過は大好き。
Let's Go!
ぐわっとそばかすまじりの白い頚が迫ってきたと思ったら、あらら、すみません。
【ろーざ】の頚に抱きついていた。
どうも元気よく飛び越え過ぎたらしく、馬の頚がぐっと下がったとたん私が前にもってかれて鞍の前に飛んでいったらしいのだ。
「いやあ、ごめんね。大丈夫?」と【ろーざ】に謝りつつ身体を起こす。
「馬の方はまったく平気だよ,大丈夫だよ」と声をかけてもらって、ほっとする。
太くて短い頚だからセイフティクッションのようで私の方も問題ない。
「どう?跳んだ感触はわかった?」と先生。
「今の時刻は、1時57分ね」とナイスなひと言は、一緒に馬場に出ていたマダム。
記念すべき【ろーざ】での初跳びは、首乗りというおまけ付き。
しかしこの一件でわかったのは、お仕事嫌いといわれていた【ろーざ】は実は横木や障害を自分から楽しそうに飛ぼうすること、そして、騎乗者がバランスを崩して首に乗っても慌てず騒がす歩みを止めて、鞍に戻るのを待ってくれるという頼もしさ。
しかも、テンションがあがって暴走することがなくて合図でピタリと止まってくれること。
楽しいし、安心して乗っていられる。すごいじゃないの〜。
■「じゃあ、あとはもっとしっかり一定のリズムで前傾姿勢で乗れるように練習していきましょう」
「足はしっかり踵下ろしてね」
「一本だけ横木を置いておきますから、これを駆歩で通ってね」と先生。
2ポイントの駆歩をしながら横木を跨ぐと、またもやぐわっと頚が迫る。
ひゃ〜、そんなに大きく跳ぶものでしたか〜 
「拍車があたって馬が頑張りすぎているのかも」
「拍車当てないように気をつけて」と先生。
そんなにあれこれ注文つけられても困ってしまう。
まずは、2ポイントの騎乗姿勢からだな。
駆歩で横木を跨ぐと跳んでしまうから、速歩に切り替える。
トントントントンとリズムよく進むとぴょんと飛び越して駆歩になる。
うん、今度は飛び越える大きさといいリズムといい、ちゃんとついて行けた。
「やった〜」「えへへへ…」と顔がにやけてしまう。
馬の肩をぽんぽん叩いて「えらい!【ろーざ】はすごい!」と褒めると肩越しに振り返って「でしょ」と言わんばかりの様子。
いやあ、楽しかった。
■その後も2ポイント駆歩の練習を続ける。
反対手前が出てしまっても、すぐに出し直せて馬場を何周も回れるなんて夢見たい。
駆歩が難しくて、反抗されるとあとはぐちゃぐちゃになる馬とは思えない。
「2ポイントで乗る方が駆歩続くようだね」
「余計なことをされないので馬が楽に走れるのかもね」と先生。
確かに、馬の首に拳を置いいるから手綱の張力はぐっと一定の力で支えていられるし、背中で人が跳ね回ることもないし。
さらに、人と馬が一緒に楽しむという何とも言えないつながりのようなものを感じるし。
心から楽しかった。

■【ろーざ】とのレッスンを何とかしたいと思って、3日間連続して通った秋の休暇だった。
首を上げて制御不能になるから、サイドレーンでがっちり固めて首を下げさせてレッスン。
驚いて跳ねたり暴れたりしないから、初心者を乗せて調馬策レッスン。
馬の特徴にあわせてレッスンを組み立てる先生の考えは間違っていないけれど、10日とか2週間とかの間隔を空けて彼女に乗ると積もり積もった彼女のやるせなさみたいなものが感じられて切なかった。
「先生、馬が言うことを聞かないんです」とか「初めて乗せてもらうのでまずは先生のレッスンに集中して」と乗せている彼女をねぎらったり褒めることがなくて、いつも不安とか不満を背中に乗せてなければならない【ろーざ】
この休暇が終われば、私はいつもどおり週1回の乗馬が精一杯の日常に戻る。
私にできることは何もないけれど、せめて乗せてもらえた時には「頑張ったね」「楽しかったね」「あなたのお陰だよ」と言える騎乗を心がけたい。
そう,思えた。

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