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796/797鞍目 ふわっと [第19章]

 2009-07-31(Fri) 通算796/797鞍目
■もわーと籠った蒸し暑さにうんざりしていたら、急に冷たい風が吹き出した昨夕。
わずか1時間のうちに31℃から24℃へ。
21℃の夜風は肌寒さと感じるほどで、こういう時は体調を崩すきっかけになりやすので要注意。
と戒めていたのに、抗アレルギー剤の眠気と疲れでソファで居眠り。
真夜中に起き出してシャワーを浴びて翌朝の野菜スープをしこんでいたら、はや午前1時を過ぎる。
■サマータイムなのだよ、乗馬倶楽部は!
日の出を馬の背で眺めるという目標をあえなく逸し、高速道路で遅便のJRAの馬運車を追い越すのがやっとだった。
ちなみにこの夏初めての馬運車は『ヒサトモ』号。
牝馬にしてダービーを勝った馬の名だ。
■朝6時を過ぎて高速出口のETCをくぐったので、通勤割引が適応になる。
曇りの涼しい日なので、割引率の悪い早朝をあえて選ぶ必要はないのかも…と新たな解釈が成り立つ。


■倶楽部では早くも騎乗している方がいる。
いつも思うのだが、倶楽部が近ければ朝騎乗してから仕事にいけるのに…
■ひと鞍目は、大好きな【ろーざ】に乗る。
前回は左後肢が悪くて乗れなかったので、ようやくの騎乗機会。
先生からは、フラットで乗るよう指示が出る。
今年の夏のレッスンテーマは、手綱を伸ばして馬を自由にして、人の身体もぶらんぶらんに脱力してのることなんだそうだ。
「自由にして馬が止まってしまうようだったら、人が馬にしがみついている証拠だよ」と先生。
自慢じゃないが、私はこの手のぶらぶら乗りは得意。
「せっかく手綱を課題にしてやっているのになあ〜」と落胆したものの、これが新たな展開を呼ぶとは思いもよらなかった。
■新しいゴーグをつけてフラットな運動を始める。
馬に跨がってすぐに【ろーざ】がこちらの出方を伺っているのを感じる。
歩く方向を修正しようと強めに手綱を向けようものなら、くっと馬の肩や首に力が入って抵抗の構えを見せる。
「まずは、あなたの自由でいいからね」
「私を乗せた重さに慣れるまでは、止まらずに歩いてくれればいいから」と方向も歩調も【ろーざ】に任せて、自分はまっすぐ真ん中にストンと座っているだけに徹する。
余計なことをせずにまっすぐ真ん中にいると、馬は結構まじめに動いてくれるのだ。
以前「動かさなけりゃ」「きちんと蹄跡を回らなきゃ」と思っていた時は、何もしなければ馬は何もしなくなってしまうと恐れていたのに、事実はまったく逆だった。
自分から動かしているわけではないが、自分の骨盤から動きが滑らかに広がっていく感覚。
【ろーざ】の乗り心地に執心するのは、馬との接点のこのもちっとした感触が何にも代え難いからなのである。
馬場を一周して、少しずつ私の意志も伝え始める。
方向を変えるには、脚でギュウと押したり手綱を開いたりするよりも、身体の向きを変えたい方向に向けるとか座骨の荷重を少しだけ重くすると目指す方向によっていってくれる。
本当に微かな扶助でしっかり伝わっているのに感動する。
速歩までは、ちょんと使う扶助だけで気持ちよく運動できた。
「ここまで動いてくれれば今度は手綱をしっかり持って運動しようか」というタイミングで迷いが生じる。
手綱を伸ばしてフラットに運動をするという指示がでていたから、このままフラットで駆歩すべきなのか。
■歩の為に内方姿勢をとらせようとした瞬間から、がらりと馬の雰囲気が変わってしまった。
ああ、速歩で手綱をもって運動させた後でないと私には駆歩出せないんだった…
伸びた馬でトンと駆歩を出すことはできぬ。
いきなり馬を内側向かせてまとめようとした私のデリカシーのなさが【ろーざ】のご機嫌を損ねてしまった。
「うん?馬が重いの?」と声がかかる。
先生、フラットのままでは私駆歩出せません。
「いい子だったんですが、駆歩出そうとしてご機嫌を損ねて首をあげられちゃって」
あーあ、せっかくいい雰囲気だったのにここからはフリーダム炸裂の反抗モードになってしまった。
「ほら外の肩から逃げられているよ」
よーく、わかってます。
必死に外方の手綱を緩まないよう握りしめる。
「止まれじゃないよ」「内側向いてごらんよ」と全力で闘っていると、
「左(内方)の脚が前に出過ぎ!」「腹帯よりも前に出ているじゃないの」とご注意が飛んでくる。
「馬を何とかしようとして、力が入りすぎて姿勢が崩れているんだよ」
ふえ〜、馬の反抗に負けないよう闘えと教えたのは先生ですけれど…
■「無理に内側向けようとしなくていいから」
「本来は内側向けるんだけど、そうするとますます外方の肩から逃げやすくなるからね」
「まずはまっすぐ」
「左右同じで、どちらにも逃げられないようにね」
ふーん、そうなんだ。
「馬が首をあげようとしたら手綱をゆずちゃっていいから」
ええっ?
「首をあげようとする馬の力に人が勝っこないから」
なんですとー! 「負けるな」と焚き付けたのは先生じゃないですか。
サイドレーンをつけない乗り方は違うのかなあ?
■「駆歩する前にまずは並歩や速歩で逃がさないようにね」とフラットな運動は終了して、【ろーざ】に首を下げさせる運動に変更。
こうなれば、また意識を変えて細やかな感覚を大事にする。
人が居丈高に「こうして、ああして」と要求するのではなくて、
「こうしてほしんだけどなあ」「こうすると楽なんだけれどなあ」とじっとしていると馬が合わせてくれている。
忍耐という表現がぴったり。
「そうそう、それでいいよ」と先生。
「上から見ると馬の首はどうなっている?」と聞かれる。
馬の首のかたちが極端に変わったということはないのだが、動きに合わせてまとまっている感じがする。
「馬がね、うんうんと頷いているみたいです」
「あはは」と先生。
でも本当はどうなのかな? 
ハミをうけている馬の首の状態って、馬上からみたらどんな感じになっているんだろう。
自分の見ている馬の首にこれといった特徴はないから、答えに自信はないのだ。
■「今日はもう駆歩はしなくていいです」
「自分が納得するまで、速歩並歩でやってみてね」と後半の練習課題を言い渡される。
ああ、残念。
【ろーざ】の丸まった駆歩に乗りたくてたまらないのに、今日は至らず。
反抗のない首を下げた状態で騎乗することに徹する。
「並歩速歩の移行はね、例えば並歩ピタっ!じゃなくて」
「『な・み・あ・し・す・す・め』ってゆっくり準備して自然に移行できるようにね」
「ふわっと移行するのがいい移行なんだよ」
ああ、「絶対言うことを聞かせるぞ」と無駄に力の入った傲慢な扶助を見透かされていた。
本当は幽けき扶助で事足りるのに、居丈高になったあげく馬に足元をすくわれている。
■乗り終わって先生が声をかけてくれる。
「この馬は頑固な所があるから難しい馬なんだよ」
「最初ニュージーランドから来た時には、もっと空を向くぐらい首を上げちゃって手を焼いていたんだから」
「それに比べれば、今は随分良くなったんだよ」
難しい馬だから上手く乗れなくて残念というネガティブな気持ちよりも、居丈高な扶助をしてしまった自分を反省しつつ、彼女との細やかなインターフェイスを尊重していけば必ずわかり合える時が来るはずと希望を抱かせるひと鞍だった。
「【ろーざ】とわかり合えるようがんばります」
「フラットな運動をしている時はいい感じなので、なんとかそれを次に繋げていこうと思ってます」
こんな決意表明をしてしまったが、おとなしくて初心者対応の仕事になくてはならない彼女。
私が乗ってかえって壊してしまったらまずいなあ。

■ふた鞍目は【ひなげし】ちゃん。
ちょっと駆歩不足を補ってもらおうと考える。
何も言うことがないほど楽に自由に乗れる。
駆歩しながら、いろいろ自分の姿勢とか力の入れ具合とかチェックする。
左手前だと座骨が離れてしまう時がある。
いろいろ探って、座骨が着いている状態を自分の中で「これでよし」とマークしておく。
斜めに手前を換えてシンプルチェンジをしようとすると馬が肩から逃げる。
ううむ、新しい手前に無理矢理変えようとしているなあと反省。
前の時間に先生に言われたことを思い出す。
「ふわっと移行する」
つまり、無理なく準備をして次の運動に移る。
まだまだ、力任せの場当たり的な扶助ばっかり。
馬との対話ができるようにならなくては。
先生からは「いい感じで乗れていたよ」とOKをもらう。
馬がいい子だからなのだが。
人も馬も楽になれる境地を目指してきて、間違いではないと思う。


■2頭まとめて最後にお手入れをする。
せっかく手入れしたのに、パドックでごろりと砂浴びしてくれる【ろーざ】
「きれいにしたってのは人間の自己満足なのさ」と思い知らせてくれる。
いいよ、いいよ、好きなようにおやり。
愛はすべてを許す。

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