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794/795鞍目 発達課題 [第19章]

 2009-07-24(Fri) 通算794/795鞍目
■とうとう夏休みシーズン到来。
とは言っても、
職場は「周囲に迷惑をかけないなら順番にとってもよろしい」という風土なので
お休みありがとうのお土産だけが増えるだけで、いつもと変わらない状況。
違うのは倶楽部が夏時間になったことか。
来週からは、競走馬を載せた馬運車と並走するような時間帯に出かけることになる。
■ここ一週間、梅雨明け宣言は勇み足だった…と思わせるようなぐずついた天気が続いている。
予報では今日も強い雨の時間帯が続く。
これでは2周連続で馬に乗れないじゃないの〜
念のためにとチェックしたレーダーによる雨雲の動き予測では、倶楽部のある地域だけ雨雲が避けて通っていく。
うーん、賭けのつもりで倶楽部に出かけることにした。
結果は、雨雲レーダー予測を信じた人の勝ち! 
雨に降られたのは帰路だけだった。

■いつも通りの時間に到着すると、夏時間ゆえにもう乗り終えて帰った人もいると聞かされてびっくり。
午後の騎乗は夕方3時以降になるので、午前中にふた鞍騎乗することにした。
■ひと鞍目は【くれよん】君。
先生からは「肘が伸びちゃっているよ、肘を曲げて」と注意される。
「肘から先の前腕・拳・手綱は一直線に伸びてなきゃ」
「手首や肘,肩の関節をやわらかく使ってね」
そうそう、肘が問題なのだ。
伸びきってしまわないよう腰の横におくのが基本姿勢。
肘を引くことを意識すると俄然、背中とくに肩甲骨間がすぼまる感覚が鮮明になる。
■今日も4本のキャバレッティを速歩で通過。
「しっかり前に出してね」
「横木を踏みつけたりすると危ないから」と声がとぶ。
「【くれよん】君は本当は横木跨ぎをどう思っているのだろう?」とバーの前で馬なりに任せたのが、先生に見つかったらしい。
いったん跨がせると決めたことは終始一貫した扶助で最後までやらせないと、馬が不安になったり混乱したりするのだ。
気をつけないと…
リズムよく前に進んでいる時は本当に楽しい。
上下動が大きく馬の首も動くので、手綱の手応えもよくわかる。
どんなに動いていても馬の口にハミがカツンとあたらないよう常に手綱の張力が一定になるようにするには、人が関節をつかって動きを吸収するしかない。
やはり、ここでも肩や肘関節が大活躍。
■この調子だと駆歩でのキャバレッティ通過とかクロスバーに挑戦したくなるじゃないの。
「本当はどうなの?」
【くれよん】君自身にもにやってみたいかどうか聞いてみないと、無理強いはできないが…
■その後の駆歩でも、肘を意識すると手綱に血が通うようになる。
去年の【てんてん】君のように、人馬のバランスを鋭敏に感じ取る道具になるのだ。
ちらりと慌てるそぶりをみせる彼に「もっと後ろにバランスを戻して」と伝えたくなる。
おっと、自分の重心も後ろに持ってこなければダメじゃないの〜と慌てて気がついて、グウと座り込む。
しっかり座って手綱を握っていると、今度はやたら馬の前が軽くなってしまう。
その場で方向転換できそうな勢い。
「ちがうちがう、こんなに腰に荷重しなくてもいいんだから」と前を少し緩める。
障害馬の来歴を聞いてから、手綱を持つとどの馬よりも上にあがって前が軽くなる駆歩の理由がわかったような気がした。
跳ぶための態勢が整っているんだ。
とすれば、きちんと頭を下げさせないとバーのない所でも飛びあがってしまうかも。
手綱を握るということは、馬が納得して安心して扶助を受けいれてれてもらうべく責任が生じるのだ。
力任せに荒っぽい扶助を出すのは厳禁。
■人と馬が走りやすいように丁度いい所に重心をもってくる。
目に見えるものじゃないけれど、【くれよん】君が落ち着いた気持ちのいい運動をするためにはどうしても必要なことなのだ。
馬を伸ばさない、でも手綱を強めに持つとすぐ後ろに重心が集まってしまう彼の為には、迅速かつ繊細なバランス調整能力のある騎乗者にならないとなあ。
この夏の課題だ!
■クーリングでは、速歩と同じく並歩でも左右の座骨の動きを意識するように言われる。
「座骨を馬の動きにあわせていけば、脚なんてほとんど使わなくても馬はどんどん動いてくれるから」と先生。
そのためには膝から下は馬から離してフリーの状態にしておかないと。
ブリティッシュスタイルの乗馬を習っているはずなのに、脚を馬から離して片手手綱で乗れる態勢を常に求められている。
これって衣装を変えたらそのまんまウエスタンスタイルでも通用するかも。
先生曰く「ブリティッシュもウェスタンも馬を動かす原理は変わらないんだから」
まさにそう思えてきた。

■ふた鞍目は【ひなげし】ちゃん。
つやつやのピンと張った馬体、いつ見ても愛らしい姿をしている。
昼飼いの準備で先生は忙しそうに厩舎を行き来しているので、各個乗りを楽しむ。
目指す所は、外側で回すようにして肩から逃がさない。
手綱を意識して馬ときちんと繋がっているようにする。
【ひなげし】の乗り心地はやわらかくて気持ちよい。
以前は右手前が上手くいかずにワガママされていたこともあったが、外側で回すことを覚えてからは、逃げようとする一瞬はあっても「ダメよ」のひと言(1アクション)で軌道修正が完了する。
わかり合えるって幸せなことだ。
■駆歩も両手前で一通り終える。
連続ふた鞍目だしお昼前の暑い時間帯なので「30分で切り上げようかな」と並歩をさせていると、
「あれっ、もう終わりにするの?」
「駆歩もやった?」と厩舎から顔を出した先生に聞かれる。
「【ひなげし】はいい感じの駆歩してくれましたよ」
「なんならご覧に入れましょう」とポンと駆歩で馬場を巡る私。
駆歩するには心と身体の準備が必要で「やれ!」と言われても「ええーと」「まずはこうしてああして」とウォームアップに時間がかかった私が、「ご覧に入れましょう」と何の苦もなく駆歩している。
我ながらびっくり。
「左の膝が空かないようにね」
「外の手綱をしっかり、内側の座骨に乗ってね」と細かい注意を頂いて駆歩は終了。
「後は好きにやっていいよ」と言われて、
「先生、【ひなげし】でキャバレッティ跨いでもいいですか?」と普段やらないことに挑戦したくなる。
「障害馬として調教されてないから、跨げるけれど嫌がるかもしれないよ」
「跨がせると決めたら,嫌がって大変かもしれないけれどやらせてね」と先生。
横木に向かう為の方向転換で馬と喧嘩したら面倒なことになるかも、と予想する。
まっすぐバーに入れないと馬にも人にも逡巡が芽生えるのだから。
距離を十分にとって横木にまっすぐ向かわせることだけに集中する。
急な方向転換でちょっと嫌がるそぶりはあったものの、今回も外方で回して上手く折り合いがつく。
うむ、『外方で回す』は偉大なり!
前回の【クラウン】に騎乗してから、初歩の障害に目覚めつつある私なのだ。
【くれよん】君に引き続き【ひなげし】ちゃんとも楽しいキャバレッティの時間になった。
「馬が大きくよく動いていましたよ」と言われて安心した。

■騎乗を終えて、興味深い場面に出くわした。
■ビギナーの方が先生に訴えている。
「馬がね手綱をぐいっと引っぱるからバランスを崩しちゃってだめなんです」
先生はやさしく、
「馬に負けないように頑張って下さいね」
重ねてビギナーの方が、
「馬が急に内側によってしまって言うことを聞かなくなるんで、先生がやってと言ってもできないんです」
馬の背中にいながら話は途切れることがない。
こんなにやっているのに上手くならない、一つ注意されると他のことはできなくなる、馬が勝手にうごいてしまうと切々と訴えている。
まさにその通り!
彼女の身に起こっていることも、感じていることも,考えていることも何一つ間違っていない。
私もそうだったからよくわかる。
ただ、延々と続く話に「でもね、そうさせているのは乗っているあなたなんですよ」と先生。
「あなたが乗り難いと思うように,馬も乗せ難いと思っているんです」
「それを馬は我慢して頑張っているんだから、あなたも頑張って下さい」
うわっ、そこまで言ってしまったか…
乗馬を娯楽とするか、進歩をめざすスポーツとするかの分かれ目なんだろうな。
ビギナーが直面する一つ目の大きな壁だ。
軽い素直な馬を配馬してもらってお茶を濁すか、遅々として進まない騎乗姿勢やバランスの育成を目指して自分と向きあうか。
娯楽に徹するのもそれはそれでいいと思うが。

■なんだか、馬を始めた頃を懐かしく思い出してしまった。
そうそう最初の頃の悩みは「馬が言うことをきいてくれない」だったなあ。
この頃の騎乗者としての発達課題はクラブのインストラクターや馬に対する『不信感vs基本的信頼』
本当に解決の糸口のない悩みだったから、素直な馬とか軽い馬に乗せてもらえないのは、クラブでは泡沫ユーザーとして軽く扱われている証拠なのかもと思ってしまうのだ。
重い馬や危険な馬に乗せられ続けると、クラブへの不信感がつのり退会してしまう人もいる。
なんとか乗り越えると、自分が下手だから練習して上手くなればいいのだと〈将来への希望〉を抱けるようになる。
■インストラクターが「馬がそうやっても負けずに」
「もっと脚!」「もっと強く手綱を引いて!」
こう言われると『暴君vs動物愛護者』の葛藤を乗り越えなければならなくなる。
「ごめんね」とぺちっと鞭を使うと「馬に伝わってません、伝わるまでもっと強く!」
自己嫌悪に陥りながら強い扶助の使い方を身をもって知ると、ようやく扶助は感情で使うのではなく、馬がわかればすぐさま止めるという理性をもって使うのだという〈公正さ〉が理解できるようになる。
これに失敗すれば、端から見ていて気分の悪くなる力任せの騎乗者に落ちぶれていくのだ。
■思いつくまま、ビギナー時代の悩みを〈騎乗者としての発達課題:エリクソン風〉に並べてみた。
そう、みんなどうにもならない悩みを抱えてその時々を過ごし、乗り越えていくのだ。
今の私の発達課題は何だろう?
インストラクターがいないと馬を動かせない『依存vs自立』の葛藤か?
自分で練習時間を確保し身体コンディションやモチベーションを保つのが難しい『罪悪感vs勤勉』の葛藤か?
馬歴5年目を近く迎えるにあたり、もう少し詰めて考えてみるかな…



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