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757/758鞍目 内方姿勢をとって駆歩 [第18章 バランス追求編]

 2009-02-06(Fri) 通算757/758鞍目
■立春を過ぎて日差しの温もりに力を感じる。
畑に広げられていた芋干し台も役目を終え、麦の芽が青々と畑を覆うようになった。
梅の花も咲いている。
こんな日は、馬日和だ。
■午前中は【くれよん】君。
左目はまだしょぼしょぼしているが騎乗しても大丈夫とのことで、今日からお仕事再開。
準備運動をしていると、右手前が内側に入ってきてしまって蹄跡をしっかり歩けない。
ううむ、左目が見え難いから、左に出そうとする扶助に抵抗するのか?
「今日は無理にやりにくい手前はやらなくていいからね」と先生の一言で、
左手前での運動を中心にする。
駆歩は、彼の得意な左手前なのだが、かなり速い駆歩になる。
仕事再開初日だから元気すぎるのか。
もっと、ゆったりした駆歩してほしいなあ。と
なるべく馬の後ろに重心がいくよう背を起こしたり、手綱をぐっと持ってみる。
僅かにゆっくりになるが、馬場一周しないうちに
【くれよん】君の首がどんどん下にさがってくる。
うわ〜、これは違う。
ハミをとってスポーンスポーンと上にあがる駆歩じゃない。
馬が前にくうぅぅと力みながらのめっていく。
前後にのべ〜と伸びていくのとは違って、力が入っている。
こういう時は何が原因でどうすればいい?と思い出そうとするが、頭の中の引き出しは空っぽ。
と、
「もちぇさーん、そこで並歩していて!」
「もう少ししたら丸馬場で駆歩みますから」と先生が向こうから叫んでいる。
■丸馬場に入って駆歩したとたん
「はい、ちょっと止めて」
「また膝下で抱きついているよ…」
休馬明けで馬が元気で走りたがっているのだと解釈していた私に、苦いお小言。
ふへ〜、原因は私ですか?
「【くれよん】は膝下で抱え込まれると嫌がって走りだすからねえ」
「遠目ではいつも通りの人の姿でも、馬の動きの違いで人のやっていることが何か違うってわかるから」
「馬は先生なんだよ」
【くれよん】君の動きをみて私が(無意識で)何をしているのかを視てとるとは、先生恐るべし!
思い通り動かない原因を馬の中に探してしまい、「今日は〜だから仕方がない」と簡単にオチを付けてしまう自分を反省しなくては。
■「いいかい、膝から下は力抜いて、ぶらぶらと自由に動かせるように」
「膝から上の内股部分でしっかり挟んで」
「この部分には力を入れて鞍から離れないんだよ」
馬を止めて基本姿勢の確認に戻る。
そうだった、きついジーパンをはく時にように脚を長く伸ばして、お尻をしぼって下腹を凹ませて、骨盤を立てて…
鞍に腰を掛けるのではなくて、内股でまたがる。
「はい、もう一度駆歩いこう!」
「手綱は外側にまとめて、内側の腕はだらーん」
「内側の鐙も脱いで」
「内側の座骨に乗ってー」
橘先生マジックと言うべき、全てが収まるところにきちんと収まると楽になる。
「そう、それでいい」
「さっきの外方脚の位置は、こーんなに膝から下が後ろに流れていたけれど」
「脚なんて大きく動かさなくていいんだから」
「座骨の荷重の違いで馬には通じるんだから」
あぁ、思い出してきた。 
「いま見ていても座りは安定してすごく良いのに、時々前にやっていたことに戻っちゃうんだよねぇ」
そうなんです、忘れてしまうのは人間のさがってことで。

■この季節は、洗い場や繋場、南に向いた厩舎の中まで陽が差してくる。
風がないとほっこりのどか。
「午後は【ローザ】に乗りましょう」
「調馬策でやりましょうね」と先生。
えー、【ローザ】ちゃんて丸馬場で調馬策をつけてビギナー専用の馬でしたよね。
広い馬場ではのったりとあちこちふらふらと勝手に動いてしまう子だったような。
またビギナーの基礎に逆戻りですか…
「この馬はね、手綱でけんかしちゃうと頭上げてどっか逃げて行っちゃうから」
「バランスよく乗ってあげて」
「まずは、手綱はブラーンと軽く乗りましょう」
えっ? この馬って鈍くて重い、決まったことしかできない馬なのではなくて、
バランスやハミに敏感すぎて下手が乗ると動けなくなる馬ってこと?
「まあ、どうなるかやってみましょう」
ひゃあ、これは先生から挑戦の機会をもらっているんだ。
沈んだ気持ちからいきなりワクワク感へ。
■ネックストレッチをつけて角馬場で乗る。
バランスにうるさい馬なら、まずはまっすぐ真ん中を意識して原点補正。
一旦並歩を出して、人がまっすぐ真ん中にいて何もしない状態でもゆっくり前に進むことを確認。
止まったりどんどん進んだり、右左によれたりすれば問題あるが、【ローゼ】ちゃんはよれずにのっしのっしと前に進んでくれる。
人が小さな円を意識して上半身をひねり、内側の座骨に乗って、外側の脚で押さえると彼女はスムースに巻き乗りしてくれる。
うわっ、手綱を使わなくてもバランスだけで扶助が事足りる。
この馬は侮れない。
■「軽速歩しましょう、手綱は片手にまとめて」
拍車でちょんと合図をしただけで、どんどん前にでてくる。
こんなに動いてくれる馬だったか?
「最近元気がよくて、かえって初心者さんが乗れなくなっちゃったんですよ」
リピッツァーの血が入ったオーストラリア産の馬だそうで、前後に短く横幅が太く肉厚な体型をしている。
乗り心地はぶわんぶわんとゴムのクッションが効いている感じ。
気持ちよく蹄跡周回、輪乗り、斜めに手前を換えなどをする。
■「じゃあ、少しずつ手綱もって行きましょうか」
「軽ーく、かるーくね」
「手綱を両方ぎゅっと引かないでね」
あれれ、手綱はまだしっかり持っていないのにだんだん動きがのったりしてくる。
持つ場所を探すのにごちょごちょしていると、【ローゼ】ちゃんの首があがってきた。
まずい! 迷走し始めた。
埒ギリギリに馬体をこすりつけるように歩く。
こんな時は、まず手綱で何かしようとするのは禁忌。
とにかく前に出てと拍車で合図。
前に出てきたところを軽いタッチで左右が同じになるように手綱で受け止める。
ずっと以前「馬に気がつかれないように手綱をとっていって」と教えられたが、まさにその通り。
ショックなく左右差なく、拳が動いて不快な振動を与えないように。
動きが悪くなれば、再び片手手綱に戻してリズムよくすすんでもらうようにする。
なんとか、すぅと気持ちよく前に出てきてくれる。
「いい感じだ」「そう、それでいいよ」
とりあえず、速歩までは上手くいった。
■「駆歩はサイドレーンを外側だけつけて、調馬策でやりましょう」
右手前の駆歩をする。
いつものように姿勢の確認をしながら乗る。
「そうだ!」「いいよ」とOKがでると、
「じゃあ今度はひとりでやってみる?」
あれ? 駆歩の姿勢矯正が主題ではなかったのか。
右左両方にサイドレーンをつけて「駆歩やってごらん」と。
■型通り、外方脚をひいて内方脚でトンと合図。
パタパタッと駆歩発進。
おお、通じているが、次に合図したときは反対駆歩が出てしまう。
「もちぇさん、内側を開き手綱にして!」
「外側は引っぱらないで」
「馬に内側を向かせて、ストンと首を落とすまで、そこで負けない!」
むにーと内方手綱を開いて待っていると、ストンと首を落とす【ローゼ】
「ハイそこで駆歩、ドン!」
うほっ、トンと離陸。
ブホン、ぶほん、ぶほんとホッピングに乗っているような駆歩。
「そう!それでいい!」
顎を譲らせて、内方姿勢をきちんととらせてから発進の扶助を出すと気持ちよく決まる。
しかも、駆歩がびっくりするほど小股なのだ。
まるで縄跳びかホッピングをしているような感覚。
こんなに前に進まずその場跳びをしていて、馬は窮屈に感じたりしないのだろうか?
大丈夫なのだろうか? 
「それで、いいんだよ」「すごくいい駆歩をしているんだから」と逆に説得されてしまう。
■サイドレーンがついているので、外方を規制するのはそれがやってくれている。
だから、内方手綱だけを開けば馬には通じる。
かえって今までのように外方の規制をしっかりしなくてはと外方手綱も強く持ってしまうと、【ローザ】に伝わらず、つらい思いをさせてしまうらしい。
■外をがっちり持って、馬を内側に向けるとストンと首を下げてくれるのは【ひなげし】でも経験した。
こういう体勢をとってからの駆歩発進はほとんどフェザータッチでOKなのだ。
駆歩発進時に「馬を内側に向けて」と何気なく言われてきたけれど、本当はこうやって顎を譲った状態をさしていたのかも。
右手前での駆歩もやってみて、そのポムポムとした乗り心地を堪能する。
パカランパカランと駆けるダイナミックな駆歩も魅力なのだが、歩幅の狭いその場跳びのような駆歩が「よい駆歩」と聞かされて狐につままれたような気になる。
■「後は並歩で歩いて、終わりにしましょう」と声がかかると途端に「もういいんでしょ」という態度にでる【ローザ】ちゃんが愉快。
馬繋場に戻ってくると「これなら乗れそうですね」と先生がつぶやく。
今日はけんかすることはなかったけれど、ビギナーラックというやつで、今後は大喧嘩してちっとも言う事を聞いてもらえずに終わりそうな予感もする。
手入れは、かゆそうな首まわりや顔をしっかりとブラッシングをする。
気持ち良さそうな表情の彼女を見て「これからも仲良くしてね」とお願いをしておく。



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ちゃり

ローザは初心者向けなのではなく、乗れる人がいないから
しかたなく調馬索で初心者係やってるみたいな感じです~。
昔いたスタッフが乗ってたときは、パワフルでダイナミックな馬場運動してました!
私も乗ってみたいんですが、
いろんな人がローザに手玉に取られてるの見てるので、
いざ「乗っていいよ」って言われても腰引けそうです^^;
by ちゃり (2009-02-07 17:20) 

もちぇ

そうでしたか〜、
初心者が乗る馬って先入観を持つとダメですね。
パワフルでダイナミックな馬場運動ですか… 馬は見かけによらないんですね。
そういえば、かつて某乗馬クラブの体験乗馬で小さな丸馬場を回っていた【氷男】って、障害競技で大活躍している馬だと知ってびっくりしたことがあります。
馬の能力を活かすも殺すも人間次第。
【ローザ】に手玉に取られないよう精進いたします!


by もちぇ (2009-02-08 11:01) 

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